第177章

けれど彼がもう少し大きくなり、魔獣について学ぶようになってから気づいた。記憶の中で自分を助けてくれたあの馬は、ただの馬ではない。あれはきっと――魔獣の暴風馬だったのだと。

ただ、その頃のユゴスはもう知っていた。魔獣は人間にとって、恐ろしく、憎むべき敵だということを。母を心配させたくなくて、彼はその話を口にしなかった。胸の奥に、そっとしまい込んだままにした。

それでも、従魔契約というものがあると知ったとき、真っ先に浮かんだのは――もし選べるのなら、自分の従魔は暴風馬がいい、という願いだった。

「もちろん、あの暴風馬にもう一度会えるなんて無理だって分かってる。ただ……どうしても、もう一度だ...

ログインして続きを読む